刀水歴史全書61
敵国日本 敵国日本
太平洋戦争時,アメリカは日本をどう見たか?

H.バイアス著/内山秀夫・増田修代訳


定価: 本体2000円+税
2001年9月刊
ISBN4-88708-286-X
四六判 215頁

在庫あり
パールハーバーからたった70日で執筆・出版され,大べストセラーとなったニューヨークタイムズ記者の日本論。天皇制・政治経済・軍隊から日本人の心理まで,アメリカは日本人以上に日本を知っていた
【主要目次】
第T部 敵国日本−その強さと脆さ−
  第1章 戦争予測
  第2章 日本人の精神と計画
  第3章 戦争の規模
  第4章 日本を動かす人たち
  第5章 日本の強さ
  第6章 日本を打倒するには 
第U部 日本問題
【紹介記事】
若き日の「無知」問うためにー 
『敵国日本』など翻訳の内山秀夫さん
                                  「朝日新聞」記事(04年8月31日)

 あの戦争当時の日本を、外国人はどう見ていたか。そんな観点で、政治学者の内山秀夫・慶応大名誉教授(74)が翻訳を続けている。ヒュー・バイアスの『敵国日本』(刀水書房、01年)から、年1冊のぺースで4冊。あと2冊の原稿も完成しているという。(石田祐樹)
 内山さんは慶応大を退職した94年から新潟国際情報大学長を務めた。健康を損ねたこともあり、最初の卒業生を送り出して東京に戻ったが、疲れが出て寝てばかりいた。そして考えた。
 「学生諮君は生まれながらの民主主義者だが、私はそうじゃない。生まれてから敗戦まで15年間の『無知』がずっと気になっていた。丸山真男さんのものを読むなどして、自分の中の前民主主義的な部分を脱ぎ捨ててきたつもりだった。でもそれは人様の悪戦苦闘を追うだけで、自分で自分をじかにつかみ出す作業がえらく足りなかった」
 「私はもう晩年です。残っている大事な仕事は死ぬことだ。遼回りでもいいから、軍国少年だった自分をもう一度確かめようと思った。何も知らずにカーキ色の服を醤て工場で働き、空襲で死にそうになって脱出した、と思ったあの15年間から、やはり抜け出ていなかった。あの15年間を、もっと時代に拘束されずに見ていた人がいるはずだ、と考えた」
 そこで出あったのが、バイアスだった。1875年に英国で生まれ、「ニューヨーク・タイムズ」などの記者として東京に二十数年滞在。日米開戦の翌年に出した『敵国日本』は、米国でベストセラーになった。抄訳は46年、雑誌「世界」の創刊号と第2号に載ったが、内山さんは読んでいなかった。
 「初めて読んで驚いたのは、日本への罵倒が一つもないこと。これなら自分が考える手がかりになるかもしれないと思った。また、原本は今ほとんど手に入らないから、訳せば読んで下さる方もいるかもしれない」と、1日2ページずつ訳していった。若い頃からアメリカの現代政治学や比較政治学の研究書の翻訳が多い。「英語が不得意だから、辞書を引きながら一字一句読んでいくこのだという。
続いて、同じバイアスの『昭和帝国の暗殺政治』(刀水書房)、米国の研究者ヒリス.ローリィの『帝国日本陸軍』(日本経済評論杜)、英国の研究者リチャード・ストーリィの『超国家主義の心理と行動』(同)を出版した。
 連合国軍総司令部(GHQ)にいたトーマス・A・ビッソンの『日本は民主化できるか』と、ジャーナリスト、ウイルフレッド・フライシャーの『火を噴く島 帝国日本』も訳し終えた。
 「民主主義は費乏じゃあできない、とよく言われた。でも世の中、食うに困らないってこんなことだったんだろうか。一回元に戻る努力をしないと。僕らはまだやり直しが効くんじゃないか。それが『杜会』ということの意昧ですよね」。内山さんはそう書くのである
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